野口整体 白山治療院
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更年期の健康生活

 

「更年期の健康生活」

女性のからだは、更年期さえ上手に通り過ぎれば、かえって丈夫になり、生活の面でも精神面でも自由度が広がっていきます。閉経は、女性の人生の大きな転機です。 更年期を、老化や衰えと結びつけてマイナスのイメージでとらえないことが大切だと思います。
特に整体操法を通して女性のからだを見ていると、ある意味女性のからだは閉経を迎え更年期を通り過ぎて完成するのではないかとさえ思えます。
 
では、更年期を上手に過ごして、より健康なからだになっていくためには、どういうことに気をつけて生活していけばよいのでしょうか。この項では更年期を通じて体をより健康な状態にするための、更年期の過ごし方のコツについて、いくつかお話ししてみたいと思います。
 
 

「冷えと卵巣」

多くの婦人科の病気の裏には、「冷え」 の問題が大きく関係しています。特に卵巣に関係する異常は、冷えの害と深い関係があります。
 
もともと 「冷え性」 は女性に多いのですが、冷え性というのは足首の関節と足自体に異常がある人がなりやすいものです。寒いからといって、誰もが冷えの影響を受けるわけではありません。 足首の関節に問題がある人が、他の人より冷えの影響を強く受けるのです。(冷え性は、腰椎も関係します)
 
冷え性の人は、足首の関節の可動性が悪い人です。 平たくいえば、足首が固く、動きが十分でないということになります。それと連動して、足の甲の中にある中足骨、その第3 ・ 第4中足骨間が縮んで狭くなっています。冷えをあまり感じないという人でも、ここが狭くなっていれば、からだは冷えの影響を受けているといえます。
足の甲の前の方には、足の指の数だけ中足骨という骨があります。 その先に、5本の指がつながっています。手で触ってみれば、簡単に分かります。
からだが冷えの影響を受けると、この中の第3 ・ 第4中足骨の間がきゅーっと閉まって固くなってしまいます。(手でいうなら、中指と薬指の間)
 
そして、その足首と足そのものというのは、生殖器(子宮、卵巣など) ・ 骨盤の働きと直結しています。 生殖器の働き、すなわち骨盤のいろいろな動きというのは、足首の関節と連動しているのです。
 
「冷え」 と 「卵巣の働き 」 は、足首を通してつながっています。 冷えて足から足首が硬直してくると、卵巣の働きにも影響が出てきます。 ふだんから冷えに注意すると同時に、足首の柔軟性を保つようにすることが卵巣の健康にとって非常に大切なこととなります。
 
 

○足湯
 
からだが冷えの影響を受けやすいのは、秋口から初冬です。 真冬になってしまうと、体も冬仕様に変わっていくので、秋ほどは冷えの影響がありません。
秋口から初冬に冷えの影響を受けたなと思ったら、足湯をすることをおすすめします。 これは、足首から下の部分浴です。ふだんの入浴温度より2℃ぐらい高い熱めのお湯に、くるぶしがかくれるくらいの深さで足を入れます。
秋口から初冬の間には、この足湯を朝起きたらすぐにおこないます。 その前に、先ほどの足の甲の第4・ 第5中足骨間を、少し広げるようにして押さえておくと、なお効果が高くなります。
少し熱めのお湯で、6~7分ぐらい温めます。 終えてみて足が赤くならないようだったら、お湯の温度が低いのです。そして、左右の足の赤くなり方に差があれば、赤くならなかった方をさらに1~2分温めます。
足湯がかえって面倒だという人は、熱めの朝風呂に入ってもかまいません。そして、お風呂を出ても、足だけ赤くならないようであれば、さらに足だけしばらく温めます。片方の足だけ赤くならないようなら、その側だけでかまいません。
 
○冷房の害には発汗で対抗
 
最近は、電車でもオフィスでもレストランでも、冷房を強く効かせているところが増えています。これも、からだが冷える原因の一つです。 自宅なら自分で調節できますが、職場や出先ではなかなかそうもいきません。
夏場は、冷房で冷えることがあったら、そのあと汗をかくようにするとよいでしょう。帰宅途中のウオーキングや、帰宅後の入浴などをうまく使って、上手に汗をかくようにすると、冷房による冷えを解消できます。
ただし、その汗を拭かないでいて、また冷房などで冷やしてはいけません。汗をかいて冷やすのは、ただ冷えるのよりも、ずっと体に悪影響をあたえます。汗をサッパリかいたら、良くふき取ることが大切です。
 
○足首を回す
 
それから、日常的に足首を回すことをおすすめします。 足首を手でもって、ぐるぐると気持ちの良い速度で回します。 非常に簡単ですが、効果があります。
また、足指と手の指をしっかりかませて、ゆっくりと回すのも効果的です。この場合、手は補助にして、手で回さずに足首の方を回す方法もお薦めです。足首を意識して、ゆっくり大きく回します。
足首を柔軟に保つことは、生殖器の働きを健全にします。 更年期でなくても、生理が重い人や、不妊で悩んでいる人にもおすすめの方法です。 足を毎日回すようにしただけで、月経痛がなくなったという人も結構います。
 
○目を温める
 
蒸しタオルで目を温めます。目を温めると、頭が弛みます。緊張した頭蓋骨(特に後頭骨)が弛むと、連動している骨盤もホッと弛んできます。 逆に言えば 、目や頭を酷使しないことも、更年期には大切になります。また、これは生理中にも言えることです。
 
本当の蒸しタオルをつくるのは大変なので、熱いお湯に浸けてしぼったものでもかまいません。炊事用の厚手の手袋などをしておこなうと火傷の心配がありません。また、絞ったタオルをレンジで温めてもOKです。 どちらにしても、かなり熱くなりますので、火傷しないように注意が必要です。
また、 目は強く圧力をかけてはいけないところです。目を温めるときは、タオルを強く目に押しつけないようにします。
 
気持ちの良い温度に調節して、タオルを直接目に当てます。(もちろん、目は閉じておこないます。念のため…) 温めたタオルが冷めてきたら、もう一度温め直して再度おこないます。時間は、10分から15分程度。あまり長すぎるのも良くありません。
この場合、だんだんと冷めていくという温度変化が体に良い影響を与えますので、冷めないようにとビニール袋などに入れておこなうのはお薦めしません。(足湯の場合は、反対に6分~7分間、その最中に温度が下がらないようにする)
ただし、タオルが冷たくなるまで当てておいてはいけません。かえって冷やすことになってしまいます。
 
目の蒸しタオルは、骨盤が開き始める、生理の4日前くらいからおこなうと、生理痛の予防にもなります。もちろん、生理中もOKです。
 
 

「手首のこわばりと子宮の関係」

卵巣が足首の状態と密接な関係があると書きましたが、子宮はむしろ手首と関係があります。手首と子宮が関係あるなんて、突飛な話のように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、手首と子宮の関係はかなりダイレクトです。
 
子宮後屈などは、必ず手首がおかしくなっています。 手首の関節が硬くなり、太くなっています。この手首を調整することが、子宮後屈の治療にもなります。
 
○手首を柔軟に保つ
 
手首を柔軟に保つこことは、子宮の状態を改善することにつながります。 ふだんから、手首をブラブラとよく揺すって柔らかくしておくことは、とてもよいことです。
 
○肘湯
 
それから、手首から先をお湯に入れて温めること(肘湯と呼びます)が有効です。 この場合、蒸しタオルをつくって、温めてもかまいません。 蒸しタオルは、あらかじめ濡らして絞ったタオルを、電子レンジで温めると簡単につくることができます。ただし、かなり熱くなりますから、やけどには注意して下さい。
 
また、手首というのは面白いところで、頭の中の状態とも関係しています。頭の中の状態とは、脳がどうこうというよりも、思考と感情の動きの柔軟性という意味です。
頭が疲れてきたり、同じことがいつまでも頭から離れずに堂々巡りをしているようなときは、必ずどちらかの手首が硬くなっています。(両方のこともある)
 
そういうときに、自分で手首を握ってみると、どちらかが太くなって硬直しています。力を抜いた手首を握って見ると、柔らかく細いはずです。 そこでパッと手指を開いてみると、握っている手首が太くなります。これをくり返してみて、手を開いたときと、力を抜いたときの、手首の硬さに差があるほど柔軟性がある状態です。手を開いても力を抜いても、手首の太さや硬さがちっとも変わらないようだったら、その側の手首は硬直しっぱなしで、ゆるむことができなくなっている状態です。
 
年を取って頑固になってくると、誰でも手首が硬くなってきます。 手首を柔軟に保つことは、心を柔軟に保つ方法でもあります。
 
頭が疲れたとき、考えがまとまらないとき、最近強情になったかなと思うときなど、ぜひ手首を温めることを実践してみて下さい。頭がすっきりとして、考えがまとまりやすくなり、気持ちも柔軟になります。
また、感情的なわだかまりが続いていて、なにかにこだわってしまうようなときは、手首と同時に肘を温めると卓効があります。
 
 

「更年期と過食」

更年期を迎える頃から、女性は 「食」 に対する執着が強くなってくるといわれています。 これは、潜在意識の中に、「更年期は体の衰える時期だ。 たくさん栄養をとらなければいけない」 という先入観が、いつの間にか形成されているためではないかと思われます。
 
しかし、実際には、更年期は女性の一生を通して、一番栄養を落とした方が良い時期です。 更年期前後は、過剰な栄養が、子宮筋腫や卵巣嚢腫などの原因になることがとても多いのです。
 
人間の一生の中では、栄養が必要な時期と、小食 ・ 粗食でよい時期とが、波のように交互に繰り返しています。からだと心が自然であれば、自然の要求に従って、食べたいときには食べ、食欲がない時期には小食で過ごしていれば健康な状態が保たれます。それが、頭で考えて、食欲のない時期にも無理に栄養をとろうとしたりすると、栄養過剰になってしまいます。
 
特に、更年期というのは、からだの面からいうと自然に食欲が落ちて、スムーズに体が変化するべきときです。それが潜在意識にある、老いに対する不安とか、容色が衰えるのではないかという恐怖と結びつくと、からだの要求に反して過剰に食べてしまいます。
 
○栄養を落とす
 
更年期は、栄養を落とした方が良い時期です。 栄養が過剰になると、更年期の自然なからだの変化がうまくいかなくなってしまいます。
 
しかし、更年期に入ってから、急に栄養を落としていこうとすると、どうしても心理的に抵抗があるようです。できたら、更年期を迎える前に、小食で過ごす時期を、何度か経験しておくとよいと思います。また、休日などを利用して、減食やプチ絶食をしてみることをおすすめします。 人間は、1日や2日食べなくても全然平気なものなんだということを、自分自身の潜在意識に教えるためです。
 
 

「閉経後の若返り法」

閉経を迎えたあとには、今度は少し骨盤を引き締めることをおこなうと、それが若返りになります。閉経するということは、骨盤が開くことです。 閉経前に骨盤を閉めようとすることは、自然の流れに逆らうことになりますが、骨盤が開ききって自然に閉経した後に、ちょっと骨盤を元に戻す方向に操作することは若返りのコツなのです。
骨盤が引き締まるということは、ヒップアップすることでもあります。 お年寄りのおしりはだんだん下がってきますが、おしりが引き締まって弾力があり、上に持ち上がっているということは若さの象徴なのです。
 
骨盤を閉じる方法は、いろいろとあります。 整体操法で調整する方法、ある種の体操でも可能です。しかし、それを言葉で説明するのは少し難しいので、ここでは簡単なヒップアップの方法(他者にやってもらう方法)をご紹介します。
 
たかがヒップアップ、とあなどってはいけません。 整体から見た更年期の項でも書きましたが、女性のおしりは、女性としての力の蓄えられているところです。 おしりに力がないと、早く老けてしまいますし、病気などに対する抵抗力も落ちてしまいます。
 
○ヒップアップによる若返り法
 
これは、自分でおこなうのではなく、誰かにやってもらう方法です。 私も操法の中に採り入れていますが、簡単な割に効果のとても大きい方法です。
男性女性とも、効果があります。パートナーがいらっしゃる方は、お互いにやり合ってみて下さい。

 
☆やってもらう方の人は、うつぶせになります。 腕は上にあげず、からだのわき降ろして自然に置きます。顔は、首が痛くないように自由にします。
 
☆やる方の人は、うつぶせになっている人の足をまたぐようにして位置します。片膝立ちでも、両膝立ちでも、自分のやりやすい格好で構え、相手のおしりを大きく手のひらで包みます。手の置きどころは、もちろん右手で右のおしり、左手で左のおしりですが、おしりの筋肉をやや下の外側から包むように当てます。指先が上の方(相手の頭の方)を向くようにするのがコツです。
 
☆おしりの筋肉を大きく包むようにして、少し中央に寄せながら上に持ち上げます。寄せてあげたところで少しじっと止まり(5秒前後)、外は開きながら降ろします。これを数回繰り返します。
上から見ると、右は「の」の字、左は「逆の」の字を書くような感じです。コツは、表面の皮膚だけを持ち上げるのではなく、おしりの筋肉自体を大きく持ち上げることです。手に力を入れてやるとうまくいきません。 ふんわり大きく包むように持ち上げて、止まります。
また、やる人があまりおしりに近く位置すると、やりずらくなります。 少し後ろ気味におしりから離れて位置した方が、うまくいきます。持ち上げる速度は、あまり速くなく、相手が気持ちよいと感じる速度でおこないます。はじめのうちは、相手に聞きながらおこなう方が良いでしょう。
 
☆これを、4~5回程度を1セットとして、1日1セット、数日~数週間くり返すと、だんだんおしりに弾力がでてきて、ヒップアップしてきます。また、この方法は、からだの中の生命の勢いを増す方法でもあります。 体力の衰えてきたお年寄りや、仕事に疲れたご主人などにやってあげるにも良い方法です。
 
 
1.現代医学から見た更年期
2.更年期の骨盤
3.整体から見た更年期
4.閉経は早い方が良い?
6.男の更年期 ~omake~