野口整体 白山治療院
東京都文京区向丘2-37-3石橋ビル5階

更年期の骨盤

 

「閉経とは、骨盤が開くこと」

 
女性の骨盤は、閉経に向かって、だんだんと開いていきます。閉経するということは骨盤が開くことであり、更年期とは閉経のために骨盤が開く方向へ変化し始めてから開ききるまでの期間のことだともいえます。
 
女性のからだは、ある一定の年齢になると、今まで排卵・月経のリズムで開閉をくり返してきた骨盤が、徐々にその動きを緩やかにして開いていく方向へと向かいます。そして、ある限度まで骨盤が開き、閉経に至ります。この時点で女性のからだは、妊娠・ 出産という種族保存のための役割から解放されるともいえます。
 
 

「骨盤の開きと更年期障害」

 
そして、この骨盤が開いていく経過がスムーズであるほど、更年期も順調に経過します。反対に、この骨盤の開いていく行程に何か 「つっかえ」 があると、閉経に向けての身体の変化がうまくいかず、いわゆる「更年期障害」 といわれる症状が起こることになります。
更年期障害の原因の半分以上は、この骨盤の開きがスムーズにいかないことによります。関連しているということでいえば、すべての更年期障害が、骨盤の問題と関連しています。
 
骨盤の開閉は、女性のからだのリズムをコントロールする中心です。女性は、生殖器を骨盤の内部にもっています(男性は大部分が外にあります)。ですから、骨盤の状態が身体にあたえる影響は、男性にくらべてとても大きいのです。
 
更年期を快適に経過するためには、骨盤の開く動きをスムーズにすることが重要になります。では、骨盤がうまく開いていかない理由はどういうところにあるのでしょうか?
 
 

「骨盤がスムーズに変化しない理由」

 
人間というのは、とても心理的な生き物です。心の問題が、からだに及ぼす影響というのは、とても大きなものがあります。特に更年期のからだの変化は、心の状態に大きく影響をあたえます。それと同時に、心のあり方が更年期のからだの変化に及ぼす影響もやはり大きいのです。
 
女性にとって、「更年期」 というと、どうしても 「老い」 や 「女性としての季節の終わり」 のような、否定的なイメージがつきまとうようです。そういう気持ちが更年期のからだの変化、つまり骨盤の変化にブレーキをかけてしまうことがあります。
本当は、更年期を経過することには良いところがたくさんあるのですが、多くの女性は、すくなからず寂しい気分になってしまうようです。
しかし、更年期の持つ今まで注目されていなかった面に目を向けることで、更年期に対する嫌悪感や不安感も、だいぶ違ったものになっていくと思います。整体法の見地から見た更年期というものは、ただの 「老い」 ではありませんし、ましてや 「女性としての終わり」 などではありません。 新しい人生のスタートなのです。
それは、単なる考え方の問題ではなく、実際のからだの変化としてとらえられるものです。整体から見た更年期のとらえ方については、項を改めてお話ししてみたいと思います。
 
 
1.現代医学から見た更年期
3.整体から見た更年期
4.閉経は早い方が良い?
5.更年期の健康生活
6.男の更年期 ~omake~
 
 
それ以外にも、骨盤が上手く変化しない原因はいろいろあります。例えば、スケートで転倒してしりもちをついたとか、階段から落ちたとか、腰や膝などを強く打った場合、そのショックがいつまでも抜けずに骨盤が硬直してしまうことがあります。そういった過去の打撲の影響も、閉経に向けての骨盤のスムーズな変化を阻害します。
 
それから、長い間過食が続いて、エネルギーが過剰に蓄えられていると、自然と骨盤のエネルギー量が落ちていく更年期の変化が上手くいかないこともあります。更年期は、女性の一生の中で、最も栄養を落とした方がいい時期です。
 
また、更年期の骨盤がうまく変化しない原因として、出産後に骨盤の回復がうまくいかなかったことも考えられます。出産で大きく開いた骨盤が、元に戻るときに、左右そろわないで固まってしまうことがあります。特に帝王切開で出産された方は、どうしても自然出産と比べて、産後に骨盤の動きが悪くなりがちです。本来ならば出産で骨盤が開ききって、そこから閉じてくるのですが、帝王切開の場合は自然なプロセスを通らないで赤ちゃんを取り出してしまうので、骨盤は開きも閉じもできない中途半端な状態で、にっちもさっちもいかないまま固まってしまうのです。
これら出産後の骨盤の不正が、更年期をつらくさせているケースは大変多いのです。出産してから体調が悪いとか、急に太ったとか、(よくない意味で)体質が変わったという話をよく聞きますが、これはみな出産後の骨盤の回復不良が原因です。
しかし、更年期は、出産でおかしくなった骨盤を正すことのできる好機でもあるのです。
 
整体における妊娠と出産 → 産後の起きあがり参照