野口整体 白山治療院
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野口整体 用語集

野口整体 用語集 (随時更新されます)

 
 
エネルギーの鬱滞(うったい)
 
体のエネルギーというのは多ければ多いほど良いというわけではありません。過不足の無い状態がのぞましいのです。「エネルギー」とは、物理学では「仕事をすることのできる能力」のことを指しますが、ここでは元気とか生命力とか生きるための力のようなものと考えていただいて結構だと思います。
生きるためのエネルギーが多すぎるのもよくないというのは、正確な表現ではないかもしれませんが、使い切れない余剰のエネルギーがあるとそれが鬱滞していろいろと心や体に問題が起こりやすいということです。
余剰エネルギーが行き所を無くしてつっかえると、体が重くなったりだるくなったり、なんだか疲れがたまっているように感じます。そこで疲れているのかなと思って余分に眠ったりたくさん栄養を取ったりすると、かえってエネルギーが余ってしまい、事態は悪い方にいってしまいます。
体がだるくて鬱陶しいときに、スポーツをしたり仕事をしたりしたらかえってスッキリして体が軽くなったというようなことは多くの人が体験していることと思います。それは鬱滞していたエネルギーが、仕事や運動に転換・消費されて、エネルギーの流れがよくなったからです。
エネルギーが余って鬱滞すると、体は強張ってスッキリせず、気持ちもイライラしやすく、寝付きが悪くなり熟睡できなくなります。また風邪も引きやすくなります。風邪はエネルギー不足のときよりも、余っているときに引くものなのです。
野口整体ではエネルギーには、「自己保存の本能」に連なるエネルギーと「種族保存の本能」に連なるエネルギー(性エネルギー)とを分けて考えています。このあたりのことは難しくも非常に面白い分野ですが、またいずれ項を改めて紹介したいと思います。
 
 
偏り疲労
 
仕事や趣味、生活習慣、そして体癖などによって、疲れがたまる体の部位は人によって異なります。仕事で腰に負担が掛かる人、趣味で目や手ばかり酷使する人、いつも重い荷物を持って移動している人、心配性で頭がいつも休まらない人、体の重心が右や左に偏っている人・・・。
このように体のある部分が他のところより余計に使われて、その部位だけに疲れがたまっている状態を整体では「偏り疲労」といいます。この「偏り疲労」は、体を壊す原因の大きな要素となっています。
整体では、体中を均等に揉みほぐしたりはしませんが、その人の偏り疲労部位を調整することで疲労の回復を図ります。
実は疲労感と疲労の実体には乖離があります。疲労の実体は「偏り疲労」であり、どこか一部が疲れても人間は体中が疲れているように感じます。このような状態の時には、「偏り疲労」部位を調整することなしになんとなく全身をトリートメントしても、その場はちょっとスッキリしますが根本的な解決にはなりません。反対に、疲労の正体である「偏り疲労」部位さえ調整すれば、体は軽くなり疲労感がなくなります。そして、後は体が自然に元気を取り戻していくのです。
 
 
活元運動
 
活元運動とは、広い意味では人間が元気に健康に生きていくためにおこなっている、無意識的な運動のことを指します。異物を排出するためのくしゃみや、ガス交換のための欠伸、体の機能をリセット、リフレッシュするための伸びなども活元運動です。
まばたきや咳も活元運動ですし、肩が凝ったときに自然と頚を動かしたり肩を上下させたりするのも、かゆいところを無意識にかくのも活元運動です。空腹でお腹が鳴るのも、飲み過ぎて吐いてしまうのも、おならだって広い意味では活元運動です。
これらの無意識のうちに体の健康を保っている働きは、錐体外路系という運動神経系が主に司っているとわれています。大脳から延髄の錐体を通って脊髄に入っていく錐体路は主に意識的な運動系(随意運動)を司り、錐体路以外の運動系、すなわち錐体外路は錐体路系と連携しつつ無意識的な運動系(不随意運動)を司っているといわれています。
野口整体では錐体外路系の運動の働きを活性化させる訓練法としての「活元運動」を指導しています。一般に活元運動というと、こちらの外路系運動の訓練法を指すことの方が圧倒的に多いかもしれません。上記の活元運動が広義の活元運動であるとすれば、こちらの活元運動は狭義の活元運動で、「自律調整訓練法」とでもいうようなものになります。広い意味での活元運動を活性化するための訓練法です。
ある種の準備動作をおこなって体に刺激をあたえた後、ポカンとして体の力を抜いていると、体のどこかが自然に動いてきます。その多くは体の違和を調整するような動きになります。
参考 → 活元運動とは
 
 
脚湯(きゃくとう)
 
脚湯とは、膝から下だけをお湯に浸ける部分浴です。消化器系の異常や寝冷えのときなどにおこなうと効果があります。咳が止まらないときなど、呼吸器系の異常のときにも用います。
お湯の温度は普段の入浴温度より2度くらい高めの温度にします。終わった後に両方の足が赤くなっていればよく拭いて終わりにします。もし片方が赤くなり方が少なかったり、まだらに白かったりしたら、そちらの方を更に温めて左右をそろえます。
脚湯の後、もしくはあらかじめコップ一杯くらいの水を飲んでおくと更に効果的です。
参考 → 足湯(健康コラム)
 
 
整体操法
 
野口整体における整体操法とは、整体操法を修めた術者(指導者)による他律的身体調整のことです。整体操法は、大正から昭和初期に活躍された治療の名人・大家の治療技術を、整体法の創始者である野口晴哉氏が自らの豊富な治療経験と、氏ならではの卓越した人間観察、独自の生命観・健康観に照らして集大成した身体調整法です。
整体操法は、緻密な身体観察技術と気の集注に特徴があります。背骨や骨盤などの骨格も調整しますが、ただ単に背骨を真っ直ぐにすれば良いという考えではなく、体が自然な状態を取り戻すように、生命力・体力を高め全体として調和を保つように体を整えていくことを重視しています。
参考 → 整体操法とは
 
 
足湯(そくとう)
 
野口整体における足湯とは、くるぶしから下をお湯に浸けて温める部分浴のことを指します。泌尿器系の異常やのどの痛み、風邪全般に用います。
お湯の温度は普段の入浴温度より2度くらい高めの温度にします。終わった後に両方の足が赤くなっていればよく拭いて終わりにします。もし片方が赤くなり方が少なかったり、まだらに白かったりしたら、そちらの方を更に温めて左右をそろえます。
足湯の後、もしくはあらかじめコップ一杯くらいの水を飲んでおくと更に効果的です。
参考 → 足湯(健康コラム)
 
 
体癖
 
人には、生まれ持った気質とか性分のようなものがあります。人間の性格 ・人格には、もちろん家庭環境や教育・経験といったことにより後天的に形成される部分がありますが、同じような環境で育っても各々個性が現れるのはもともとの素材が違うからでです。
そしてその生来の気質は、心と分かつことのできない 「体」 の特性に由来しています。 心にある傾向を持つ人には、共通した体の傾向があります。逆に、ある種の体の特性を持つ人には、共通した心の動きがあると言うこともできます。
整体の体の観方では、人間の身体運動の中心は腰椎にあると考えています。腰椎とは背骨の腰の部分で、上から第1腰椎、第2腰椎・・・、第5腰椎と、5つの椎骨で構成されます。その5つの腰椎のうち、どの椎骨に力が入りやすいか、どの椎骨に身体運動の焦点があるかで、それぞれ体の働きにある種の特性が生してきます。その特性は、体型・姿勢・動作・内臓の働き・自律神経の働きなどに現れます。そして、体の特性にくっついて、心の働きも5つの椎骨に対応して特性があるのです。
整体法の創始者である野口晴哉氏は、長年人間の体を調整し観察する中でそのことを発見しました。そして、その心身の感受性の特性を、「体癖(たいへき)」 と名付けました。体癖は、野口整体独特の人間観察法であり、人間分類法でもあります。
第1腰椎に運動の焦点がある人達を、「上下型」 といいます。同じように、第2腰椎は、「左右型」。第3腰椎は、「捻れ型」。 第4腰椎は、「開閉型」。第5腰椎に力が集まるタイプを、「前後型」 といいます。
上下とか左右とか言うのは、その椎骨が担っている運動の特性から来ています。例えば、第3腰椎は身体の捻れ運動の焦点で、第4腰椎は骨盤の開閉運動、第5腰椎は体の前後運動の中心となっています。
そして、5つの型それぞれに、積極的に欲求を果たしていこうとするタイプと、外からの刺激に対して反応して動いていく受け身のタイプがあり、五つの型で1種から10種の十種類の体癖に分類されます。積極的なタイプには奇数、受け身のタイプには偶数のナンバーがつけられています。
上下型-1種・2種、左右型-3種・4種、前後型-5種・6種、捻れ型-7種・8種、開閉型-9種・10種(このほかに特殊体癖として、全体的に感受性が過敏である11種と、全般的に感受性の鈍い12種があります)。
 
 
愉気(ゆき)
 
愉気というのは、「気」を集注することによって、体の中の働きを高め、元気を呼び覚ます方法です。野口整体の根本には、常に「愉気」があります。愉気は家庭療法としての「手当法」にもなりますし、整体操法もその根底には愉気があります。
参考 → 始めに「気」ありき