現代医学から見た更年期
いわゆる更年期とは・・・
一般に「更年期」 とは、女性の一生に中で、卵巣の働きが低下しはじめる時期から閉経に至るまで、そして、その後数年間の体の変動期をさします。
そして、その期間は、閉経をはさんで前後5年くらい、合わせて約10年間くらいと考えて良いと思います。
日本人の場合、一般に50才前後に閉経することが多く、卵巣の機能が低下しはじめるのは、閉経の5、6年前からですから、45才くらいから始まることが多いということになります。
そして、閉経後の5、6年までを含めると、更年期は、45才~55才前後の約10年がその時期に当たります。
ただし、更年期には個人差があり、40才ぐらいから始まる人もいます。
閉経してからが更年期なのだと勘違いしている方もいるようですが、それは、更年期後期ということになります。
更年期に入ったかどうかの、わかりやすい目安は月経不順です。 閉経を迎える4~5年ぐらい前から、だんだんと月経のリズムが乱れてきます。月経のリズムが乱れてきたら、更年期に入ったのではないかと考えて良いでしょう。
そして、この月経の不順は、月経の間隔がだんだんと開いていき、とびとびになます。そうして、ついには閉経に至るのですが、そのとびとびになる前に、月経周期が早くなる時期というのがあります。月経の間隔が開いていく前の、逆に早くなる時期は、2~3年ぐらいある場合が多いのですが、この時期からすでに体の変調は始まっているのです。閉経から数えると、7~10年前ということになります。
またこの時期に、「機能性出血」といって、通常の月経と違う少量の出血が続くこともあります。この出血が見られるようになると、もうすぐ更年期にさしかかるという一つのサインといえます。
現代医学から見た更年期のホルモン変化
現代医学から見た更年期の体の変化というのは、ホルモンの変化としてとらえることができます。更年期にはいると、卵巣から分泌される女性ホルモンが減ってきます。
月経・排卵という体の働きは、視床下部・下垂体・卵巣という三つの部位がお互いに刺激し合って、協調してコントロールしています。
その仕組みを簡単に説明すると、
○ 排卵
視床下部から「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」が分泌
↓
下垂体から卵胞刺激ホルモンが分泌
↓
卵巣で1個の卵胞が成熟 - 同時に卵胞からエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌
↓
血中のエストロゲン増加の情報が視床下部 ・ 下垂体にフィードバック
↓
黄体化ホルモン(LH)が多量に分泌し、成熟した卵胞を刺激
↓
卵胞から卵子が飛び出し、卵管に吸い取られていく
↓
受精の準備が整う
○ 月経
卵子が飛び出したあとの卵胞が黄体に変化し
プロゲステロン(黄体ホルモン)と少量のエストロゲンを分泌
↓
プロゲステロンは、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を整える
↓
受精がおこなわれないと、両ホルモンの量が減り子宮内膜がはがれる
↓
月経
更年期になると、視床下部・下垂体・卵巣のホルモンの協調作業の中で、卵巣からのエストロゲンとプロゲステロンの分泌が急激に少なくなります。
現代医学から見た更年期障害
更年期のホルモンの変動による体の不調を、現代医学では 「更年期障害」 といいます。 更年期には、病名がつかなくても体にはつらい症状がでる、いわゆる 「不定愁訴」 が起こりやすくなります。
更年期障害の代表的な症状
1.顔がほてる
2.汗をかきやすい
3.腰や手足が冷えやすい
4.息切れ、動悸がする
5.寝つきが悪い、眠りが浅い
6.怒りやすく、イライラする
7.くよくよしたり、憂うつになる
8.頭痛、めまい、吐き気がよくある
9.疲れやすい
10.肩こり、腰痛、手足の痛みがある
現代医学ではホルモンの変化によって起こる症状とされていますが、整体では骨盤を中心とした体の変化がスムーズにいかないために起こると見て、そのつっかえを解消するように体を調整していきます。ホルモン剤のようなものを服用しなくても、体が自然を取り戻すと不快な症状もなくなってしまいます。
さらに今まで抱えていたいろいろな症状も、更年期の不快な症状と一緒になくなってしまうこともあります。更年期は体が大きく変化するときなので、長年たまってきた体の歪みや疲労・不自然を、一遍に精算できる調整の好機でもあります。
2.更年期の骨盤
3.整体から見た更年期
4.閉経は早い方が良い?
5.更年期の健康生活
6.男の更年期 ~omake~