野口整体 白山治療院
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男の更年期 ~omake~

男の更年期

最近は、「男性の更年期」 ということがよく話題にされるようです。 更年期といっても、男性の場合は、女性のように閉経というものがあるわけでもなく、なんとなく漠然とした感じではありますが、やはり男性にも女性にとっての更年期のようなものはあります。
 
 

「性の減退と男性の更年期」

男性の更年期にも、やはり 「性」 が関係しています。 男性の更年期は多くの場合、精力の減退をともなっています。男性としての力が低下してくることが、心身両面に影響をあたえ、女性にとっての更年期のような心とからだの状態をまねくのです。
 
男性の場合、会社を定年退職したり、仕事を子供にゆずったりと、社会的に責任がなくなり、同時に気持ちの張りが失われる時機が心身に変化を起こしやすく、大体この時機が男の更年期に当たるといえます。
 
多くの男性は、ある時期から急に頑固になったり、強情になったり、話が分からなくなったりすることがあります。 こういう傾向は、もちろん女性にもありますが、特に男性に顕著です。
これは、体の面からいうと、腰がこわばってきた証拠なのです。 腰がこわばると、精神の方も急に柔軟性を欠いてきます。ですから、急に分からず屋になったり、強情を張るようになったら、「ああ、年齢とともに腰がこわばってきたんだな」 と考えて、まず間違いありません。
そして、その腰のこわばりは、「性の力」 の減退を示しているのです。
 
「性の力」 というのは、何も性行為にだけ使われるものではありません。 がんばって人より出世しようという意欲も、家族を幸せにしたいと思う願いも、元をたどると種族保存の本能に行き着きます。女性がきれいにおめかしするのも、子供を少しでもいい学校に入れようと張り切るのも、その意欲の元には種族保存の本能、つまり 「性」 の働きがあるのです。
その種族保存の本能のエネルギー、すなわち 「性の力」、 「性エネルギー」 は、様々な人間の活動の原動力となっています。直接性行為に使われるのは、その中のほんの一部です。
人間は、他の動物と違い、四季によって決まった発情期・生殖期のようなものがあるわけではなく、一年中「性の力」 を発動させています。 そのとぎれない 「性のエネルギー」 が精神活動に転化したことが、人間が文明を発展させていくことができた理由であるともいえます。
 
腰というのは、生命力の源です。 特に男性にとっては、体力と同時に 「性の力」 の源でもあります。個人差は大きいのですが、誰でもある程度の年齢になると、だんだん腰がこわばって、弾力がなくなってきます。これは、歳とともに 「性の力」 がなくなってきたことを示すのです。
 
男性というのは、とても社会的な生き物です。 定年退職などで、今まで活躍してきた社会から切り離されると、急に心の張りを失ってしまいます。そして、心の張りを失うことが、「性の力」 を衰えさせてしまいます。
「性の力」 が衰えはじめると、心身に急激な変化をもたらします。 急にふさぎ込んだり、なんだかぼんやりしてしまったり、人間が変わったのではないかと思うぐらい、変化することも珍しくないようです。
 
 

「女性は骨盤、男性は腰椎」

女性の更年期の変化としては、「骨盤が開くこと」 が、最も大きな変化でした。男性の場合はというと、骨盤の変化も多少ありますが、どちらかというと 「腰椎」 に変化が起こります。
腰椎というのは、五つの椎骨からなっていて、上から第1腰椎、第2腰椎、と第5腰椎まであります。一番下の第5腰椎は、ほとんど骨盤の中に入っているような位置関係になります。
 
男性の更年期は、五つある腰椎のうち真ん中の、第3腰椎が後ろに飛び出てくることから始まります。これはある意味、老衰を示しています。 腰というのは、若さがあるほど反りがあります。年をとるにつれて、だんだん真っ直ぐになり、最後は後ろに突出してきます。
そして、第3腰椎が後ろに飛び出てくると、今度はその下の第4 ・ 第5腰椎がくっついてきます。こうなると、だいぶ男としての力がなくなったと見てもよいのです。
 
第3腰椎から第5腰椎までの変化は、骨盤の変化としてみると、開閉よりも下がりとして現れます。腰がこわばって弾力をなくしてくると、骨盤が下がってきます。
外見上は、おしりが下がったように見えます。 男性は、おしりの位置が下がってきたら要注意です。
 
そして、更年期の女性の骨盤は、開くことで健康を保つことができますが、男性の場合は、開くことはよいことではありません。男性は、女性と違って、いつまでも骨盤が閉まる力がある方が良いのです。
この点、男性と女性は正反対です。 男性は、いつまでも骨盤に閉まる力を失わない方が、健康で元気に過ごせます。男性が、骨盤の力を取り戻すための方法を、参考までに下に記しておきます。
 
 

「心に張りを持って生活する」

 
男性の更年期を上手に乗り切る方法は、心に張りを取り戻すことです。 新しい趣味をはじめてもよいですし、地域の市民の活動に参加したり、趣味のサークル活動に参加してみるのもよいでしょう。
できれば、なにか心の浮き立つような、うきうき、ワクワクできることや、一生懸命打ち込めるものがあれば一番です。そういう刺激が、体の中の 「性の力」、「元気」 を呼び覚ましてくれます。 大体、男性の更年期が起きる頃というのは、本来まだまだ老け込む時期ではありません。どんどん、「新しい」 ことにチャレンジして、頭も体も活性化しなくてはいけません。
 
男性の更年期は、体の面からいうと、多くは若さを取り戻すことで回避できます。女性の若返りのところでも紹介しましたが、ここでももう一度 「若返りのためのヒップアップ法」 を紹介しておきます。
 
 

☆ヒップアップによる若返り法
 

これは、自分でおこなうのではなく、誰かにやってもらう方法です。 男性女性とも、効果があります。私も操法の中に採り入れていますが、簡単な割に効果のとても大きい方法です。パートナーがいらっしゃる方は、お互いにやり合ってみて下さい。
 
○やってもらう方の人は、うつぶせになります。 腕は上にあげず、からだのわき降ろして自然に置きます。顔は、首が痛くないように自由にします。
 
○やる方の人は、うつぶせになっている人の足をまたぐようにして位置します。片膝立ちでも、両膝立ちでも、自分のやりやすい格好で構え、相手のおしりを大きく手のひらで包みます。手の置きどころは、もちろん右手で右のおしり、左手で左のおしりですが、おしりの筋肉をやや下の外側から包むように当てます。
 
○おしりの筋肉を大きく包むようにして、少し中央に寄せながら上に持ち上げます。寄せてあげたところで少しじっと止まり(5秒前後)、外は開きながら降ろします。これを数回繰り返します。
上から見ると、右は「の」の字、左は逆の「の」の字を書くような感じです。コツは、表面の皮膚だけを持ち上げるのではなく、おしりの筋肉自体を大きく持ち上げることです。手に力を入れてやるとうまくいきません。 ふんわり大きく包むように持ち上げて、止まります。
また、あまりおしりに近く位置すると、やりずらくなります。 少し後ろ気味におしりから離れて位置した方が、うまくいきます。持ち上げる速度は、あまり速くなく、相手が気持ちよいと感じる速度でおこないます。はじめのうちは、相手に聞きながらおこなう方が良いでしょう。
 
○これを、1日数回を1セットとして、数日~数週間くり返すと、だんだんおしりに弾力がでてきて、ヒップアップしてきます。 また、この方法は、からだの中の生命の勢いを増す方法でもあります。 男性にも、女性にも効果があります。
 
 
1.現代医学から見た更年期
2.更年期の骨盤
3.整体から見た更年期
4.閉経は早い方が良い?
5.更年期の健康生活