野口整体 白山治療院
東京都文京区向丘2-37-3石橋ビル5階

足湯

 
「 足湯(そくとう)」 は、整体の部分温法の中でも、守備範囲も広く使用頻度も高いものです。いろいろな体の変動のときに、とりあえず足湯をしてみると楽になることが結構あります。もちろん、「冷え」 一般にも非常に効果がありますし、風邪のときにも使います。
 
足をお湯で温める、いわゆる 「足湯(あしゆ)」 には、「足湯(そくとう)」 と 「脚湯(きゃくとう)」 があります。
 
「足湯」 は、くるぶしの中央まで、もしくはくるぶしがかくれるくらいの熱めのお湯に足を浸けます。
「脚湯」 は、膝が隠れるくらいのお湯に浸けます。最低でも膝のお皿の下あたりまで、鍼灸でいう 「足の三里」 がかくれるくらいの深さは必要です
 
脚湯は本来深い容器でおこなうのが良いのですが、バスタブに膝(から足の甲)をついて浅いお湯でおこなってもかまいません。
 
頭が重い ・鼻水がでる ・喉が痛いなど、頚から上の症状には足湯。
下痢 ・お腹にガスがたまるなどの、消化器系の症状や、風邪の後に咳が残るなど呼吸器系の症状には脚湯。
もしくは、足の土踏まず(泌尿器系)を押さえて圧痛があれば足湯。
足の三里(消化器系)を押さえて痛かったら脚湯。
 
温度は、一般的にはそれぞれ、 「入浴温度」 より2度ほど高くするのを目安とします。
しかし、普段の入浴温度があまりに熱かったりぬるかったりする場合は、2度UPでは熱過ぎたり温度が足りなかったりこともあります。
ともかく、熱いけれど、気持ちよいと感じられる温度が良いということです。
 
時間は、6~7分間。 それで物足りないように感じるときは、たいていは時間が足りないのではなく温度が低いことが多いです。
 
足湯・脚湯は、途中で温度が下がらないことが肝心です。差し湯をしたりして、6分乃至7分間、ずっと熱いままを保ちます。
 
終わってみて、片方の足だけ赤くなり方が少なかったり、片方だけまだらに白かったりしたら、そちら側だけ更に1~2分余分に温めて、左右の赤さをそろえます。
その間、赤くなっていた方の足は、よく拭いて乾いたタオルでくるむなどして冷えないようにしておきます。
 
終わったら、乾いたタオルで擦り上げるようによく拭いて、すぐに靴下などを履いて下さい。コップ一杯の水を飲んでおくと、なお良いです。
 
秋口から冬の前半は、寝冷えで体調を崩すことが多いので、これに対処するためには、朝起きてすぐの脚湯がお奨めです。朝風呂でもかまいません。
お正月以降は、季節がら頭の緊張が強くなりますから、それを解くためにアキレス腱を弛めたいところです。その目的には、足湯の方が適しています。
そして、朝起きてすぐよりも、少し活動して体が温まってからの方が効果が上がりやすいのが正月以降の特徴です。 朝風呂なら、起きてすぐでもOK。
 
秋、そして冬の前半は、寝る前に足湯 ・脚湯をおこなうと寝汗をかいたりして、かえって寝冷えをしてしまいます。この時期は、やはり朝に限ります。
真冬になったら、寝る前に足湯をするのもよいです。だいたい暮れあたり、もしくはお正月過ぎてからならば夜でも大丈夫です。眠りが深くなり、目覚めがよくなります。二度寝もしなくなります。
 
秋・冬に寝冷え対策として朝の足湯を奨めるためか、足湯は朝するものだと思い込んでいる人がいますが、足湯はいつおこなってもよいものです。風邪のときなど、体調を大きく変えたいときは、夜寝る前がよいでしょう。
 
また、なんとか体を良くしようとか、なんとか汗をたくさん出そうなどと意気込んでやるのはあまりよろしくありません。のんびりした気持ちで、気持ちよくおこなった方が、かえって効果が上がりやすいのです。