反応について
整体操法によって体が整い、「健康体」・「自然体」になっていく過程で、いろいろと体に変動が起こることがあります。それを「反応」と呼んでいます。反応には、大きく分けて、三つの段階があります。
- 弛緩反応 「弛緩反応」というのは、治療を受け始めた初期にでることが多く、体の硬直が弛むために、体がだるくなったり眠くなったりします。中には、起きていられないほどの眠気に襲われるなどという人もいますが、弛緩反応はおおむね気持ちのよいものです。
- 過敏反応 「過敏反応」が生じると、治りきらずに固まってしまっていた古い故障などが、一時的に痛み出したりすることがあります。一見症状が悪化したように感じるかもしれませんが、感覚の鈍り(麻痺)が解消してくる過程で、一時的に過敏な状態を経過することが必要な場合もあるのです。過敏反応期には、ゾクゾクと寒気がしたり、発熱したりと、急性病的な症状を呈する場合もあります。
- 排泄反応 「排泄反応」は、弛緩反応・過敏反応を経過したあとに起こる反応です。体のあらゆる排泄機能が高まり、今までため込んでいた毒素などの排泄が始まります。排泄反応期に入ると、下痢をしたり、色の濃い小便が出たり、大量の汗をかいたりと、ともかく体の大掃除がおこなわれます。ときには、鼻血が出たり、じんましんや湿疹など皮膚からの排泄が起こることもあります。過敏反応から排泄反応に移行するときに、発熱することもあります。
反応の起こっている期間は、なるべく体を休めて冷やさないように気をつけます。また、反応が終わったあとは、ゆっくりと休養することが必要です。
整体を受ける方すべてが、大きな反応が出るわけではありません。 もちろん、あまり体に変動を起こさずに、すらすらと体が変わっていく人もたくさんいます。しかし、人によっては、いろいろな反応を通過していくことが、古い体を脱ぎ捨てて、新しい体に生まれ変わるために、どうしても必要な場合があります。
一時的に、かえって痛みが増えることもありますし、今まで痛くなかったところが痛くなったりもします。発熱したり、下痢をしたり、場合によっては鼻血が出たりすることもあります。そして、ときには反応が長く続くこともあります。
はじめに「反応がでるかもしれません」といわれていて、一応の覚悟が決まっていた人でも、いざあちこち痛くなってきたり、発熱したりすると、急に不安になり覚悟もゆらいでしまいがちです。しかし、反応の激しさは、治る力の勢いを示します。そして、長く続くようであれば、それだけ体が悪かったということです。反応は、今まで異常だったところが回復しようとしている自律の働きであり、体が新しく調和をとろうとしている姿です。
心が動揺すると、体の自然な変化の経過を乱してしまいます。そんなときは、まずはゆったりと深い息をしてみて下さい。そして、自分の体を信頼し、心静かに反応期を乗り切っていっていただきたいと思います。
「無病息災」 とはいいますが、体の働きが鈍麻して、生命の勢いもなくなって、ただただ無病なだけの「無病病」とでもいうべき不健康・不健全な体で生活するより、大掃除をやりとげて、すっきり、さっぱりとした快適な健康体になる方が、ずっと良いことだと思います。